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個人の趣味で色々な物を触ったり、検証した内容等纏めたブログです。

SV3C製1080P POE対応IPカメラ(SV-B01POE-1080P-L)

最終更新日:2018/08/15


以前より興味があった、IPカメラやNVR(NetWork Video Reoder)についての話題です。
今回は、その準備段階でIPカメラを1台購入してみました。



そのカメラはSV3C製の中華製ですが、1080P 25fpsでPOE対応の製品です。
(型番はSV-B01POE-1080P-L)

今回はまず基本的な仕様等の確認や検品が主ですが、色々実験しているうちに中華製品ならではの面白い事が判りましたのでNVRと絡めて纏めて記事にしていきたいと思います。
尚、NVRも色々あるのですが、今回はISpyを使用しています。
こちらも少しずつですが、同様に纏めていければと思います。

0.目次


1.経緯
2.比較検討
3.製品解説
3ー1)同梱物
4.検証
4-1)ブラウザによる接続
4-2)ISpyによる接続
4-3)POE機能の検証
4-4)消費電力の測定
4-5)撮影テスト
5.評価
6.まとめ


1.経緯



防犯の為とIPカメラを使用してネットワークやセキュリティの勉強をしたかった為



2.比較検討



購入にあたり様々なタイプがあるので迷いましたが、次の点を考慮しました。

1)有線か無線か?
  有線・無線それぞれメリット・デメリットがありますが、以下の理由により有線にしました。
  ・POE(又はスプリッタインジェクタアダプタ)を使用するので、UTPを引く手間もあまり苦にならない
  ・無線の場合、家庭内Wifiの通信速度が遅くなる可能性がある。
   ※常時カメラのトラフィックが流れる為

2)機能について
  PTZ(パン・チルト・ズーム)
  あると便利だが、今は無しでも良い

3)その他
  最高解像度・形状(ドーム形・バレット形)・サポート・評判・価格等から考慮しました。

これらの結果から本製品(1080Pモデル)を選択しました。

3.製品解説



製品が届いたので検品も含めて確認しました。

製品名は、
「PoE IPカメラ SV3C 1080P IP 防犯カメラ 監視カメラ LAN&PoE 802.3af対応 屋外 15メートルナイトビジョン IP66防水性能 Iphone/Android/Tablets/Windows PC対応」
です。(長い・・)
 

最大解像度は1080Pで最大25fps
機能はシンプルで、無線LAN、PTZ(パン・チルト・ズーム)、音声通話、本体での(MicroSD等への)保存等、上位機種にある機能は有りませんが其の分安かったです。
※今回は更にタイムセールで購入

カメラ本体の機能としては以下の項目がありました。
※カメラ起動後、Webコンソールから確認
・DDNS(3箇所から選択)、メール送信、P2P、FTP、動体検知、赤外線
※但し、一部機能についてはメーカが使用を推奨していない機能もあり、動体検知等はカメラにさせずNVRでの設定を推奨との事です。
※赤外線は可視タイプで点灯時は目視で確認出来ます。

初期設定はDHCPでWifiルータ等でDHCPを使用していれば、接続後にすぐに使用可能です。

1)同梱物

○同梱物

同梱物は次の通りです。
○カメラ本体
○ACアダプター
○説明書(言語は英語と日本語)
○UTPx1
○防水パッキンx(LAN用のみ)1セット
○固定用ネジ+アンカーx3
○六角レンチ(L字型)x1

以下、特筆あるもののみ詳細に記載します。

○カメラ本体
 型番:SV-B01POE-1080P-L
 レンズサイズは3.6mmで初期IPはDHCPで、POEは48V専用です。

・サイズ
 縦65mm/横65mm/長さ202mm
 根元部約68mm/カメラ部約142mm(ツバ含む)
 ※直線時に測定。角度用の稼動部は重複の為、最長は約202mmで折り曲げ時は約170mm

○カメラ本体
 

・方向調整機能
 上下角度調整は0-90度の9段階
 台座固定後の調整(方向・左右傾き)は本体等にある六角ネジを緩めて行います。
 ※反時計で緩める/時計回りで締める
 但し、方向の緩めの際には上下角度の固定も兼ねているので注意が必要です。
 又、土台とカメラの結合部にはギア上の突起があり、10度単位で固定出来ます。
 逆に言えば10度単位でツメが入るので土台設置後の微調整は出来ません。
 ※調整は10度単位になります。
○カメラ本体の調整用ネジ部



・映像について
 肝心の映像ですが、1080Pですので綺麗と感じました。
 暗所用の赤外線は可視化タイプで、好みもありますがそれだけで防犯の効果はあると思います。
 尚、赤外線は自動でON/OFFしますが、切り替わりのタイミングでカチッと動作音がします。
○赤外線点灯のイメージ


○ACアダプタ
 型番:KA-1201A
○ACアダプター画像


 もし、POE給電を使用しない場合は、このACアダプタを使用すればカメラに電源を供給できます。
 その際には「PoE アダプタ インジェクター + スプリッタ」のセット等を一緒に購入すればUTP1本のみで配線可能です。
 尚、次のジャック部サイズに記載していますが、内径2.1mmのものを選択して下さい。
 (内径の2mmクラスは2.1mmと2.5mmがありますので間違えない様に)
 もし不安でしたら、購入前に販売元に確認すると良いでしょう。

・ジャック部サイズ
 外形5.5mm/内径2.1mm/長さ10mm※サポートに確認済み
 ピンアサイン:外側マイナス/内側プラス

・アダプター部サイズ
 縦55mm/横40mm/厚さ2.7mm(最大で端子は含まず)
 入力:100-240V 50/60Hz 0.4A(Max)
 出力:12V 1000mA

・コード部サイズ
 長さ:約290cm

○説明書
 言語は英語と日本語ですが、数ページずつの簡単な使い方のみです。
 詳細は以下のメーカの各種マニュアル等を参照した方が良いと思います。

 ・SV3Cオンラインマニュアル(英語・日本語等)
  ※(L series)が本製品のもので、マニュアル・ソフト等があります。
  http://www.sv3c.com/cd/
 ・日本語のマニュアル(L series)
  http://www.sv3c.com/4156.html

○UTP
 ツメ折れ防止機能付きのUTPで、CAT5E・長さは100cmでした。

○防水パッキン
 他の方のレビューにもありますが、UTPのみ防水パッキンの一式であり、電源側がありません。
 電源部は別途防水処理をする必要があります。

○固定用ネジ+アンカー
 長さ2.5mmのネジとプラスチックのアンカーがx3本あります。

○六角レンチ
 ネジと同じ袋に六角レンチ(L字型)がx1本同梱されています。



4.検証



まずは、カメラにあるWebアクセス(ブラウザによる接続)とフリーのNVR(ISpy)で接続してみました。
※スマホアプリ等の検証は後日を予定しています。

尚、検証環境(NVR)は次の通りです。

○検証環境(NVR)
メーカ NEC
機種 VK-26MB-F
CPU i5-3320M(PassMark Score:4113)
MEMORY 8GB
HDD :ST250LT014(250GB/7200rpm)
OS Windows7 Pro 64Bit
ブラウザ IE11.0.9600.19035及びFirefox:61.0
ISpy V7.1.1.0(V7.1.2.0)
備考 ISpyはV7.1.1リリース後、BUGFixで7.1.2にUP
PCは元ジャンク品を使用

1)ブラウザによる接続

※IE11とFirefox61.0 (64 ビット)で確認
ブラウザ上から映像を表示するのはIEのみに対応プログラムがあり、右上の「Download Player」から一度プログラムをダウンロード、インストールする必要があります。
尚、設定だけでしたらfirefoxでも可能でした。
(※IEでの確認画面でプログラムをインストール後)

○カメラへのWebアクセス時の例(IE11)


又、録画や画面の保存は左上のアイコンから可能ですが、不安定な時がありブラウザが落ちる事がありました。


2)ISpyによる接続

ISpyへの登録手順はメーカサイトにあるマニュアル(PoeカメラをISpyに追加方法)を参照しONVIFで登録しました。

○ISpyでの接続例

 問題なく登録出来映像が表示されましたが、カメラの出力は1920x1080のみの模様です。
 ※サポートに確認しましたが、RTSPでは1920x1080のみとの事
  その後、ONVIF設定時に/12を指定しても変らずでした。

3)POE機能の検証

 POE対応との事で、POE給電可能なスイッチを使用してみました。
○POEスイッチ
 アライドテレシス CentreCOM GS908M V2-4PS
 ※POEPortは1~4Portのみ

○テスト方法
 POEポートを設定し接続
 ※カメラはPort1に接続しています。

○POEテスト時



○結果
 問題なくPOE接続出来ました。
 正常確認後のスイッチでのコマンド結果です。

○CentreCOM GS908M V2-4PSログ
Manager > show poe

PoE Global Power Status:
--------------------------------------------------
 Power Management Mode ........ Actual
 Power Detect Mode ............ Legacy
 PoE Limit .................... 75 W ※PoE電源最大給電電力(W)
 Guard Band ................... 10 W
 PoE No Connect ............... 65 W
 Total Allocated Power ........ 3 W ※PoE電力使用量(W)
 Consumed Power ............... 2 W ※PoE電源の電力使用量(W)
 Available Power .............. 72 W ※PoE電源の余剰電力(W)
 Consumed Power Usage ......... 2 percent ※電力使用量の割合(%)
 Consumed Power Threshold ..... 95 percent ※ログ/トラップ出力しきい値(%)

PoE All Ports Power Status Summary:

Port  PoE Status  Class  Consumed(mW)  Power State
-------------------------------------------------------------------------------
  1  Enabled  0  3300  ON  - Valid PD detected ※EEE 802.3atに準拠する受電機器が正常検出された
  2  Enabled  -  0  OFF - Detection in process
  3  Enabled  -  0  OFF - Detection in process
  4  Enabled  -  0  OFF - Detection in process
-------------------------------------------------------------------------------


上記コマンドの結果から、検証時は約3W(3300mW)の消費電力で稼動しています。

4)消費電力の測定

ワットモニター(サンワ「TAP-TST8N」)を使用し、カメラの消費電力を測定しました。
条件は次の通りです。

○条件
カメラ同梱のACアダプターを使用
測定には起動後5分以上置いてから測定
※カメラ起動時の負荷によるブレ回避の為

○結果
明るい時:1.8w(平均)
暗い時:最大6.3W(安定:3.8W)
※赤外線使用時、切り替わりの瞬間で6.3Wに達し、その後は3.8W前後でした。
 (画像9 ※画像は明るい時に撮影したもの)

○料金計算
時期(季節)もありますが、1日の半分(12時間)を赤外線使用として計算します。
尚、単価については当方居住地域(関西電力地域)での検針票上からの計算”27.90円”で計算しています。
※自分の地域で計算したい場合は、使用電力会社の単価又は、検針票から計算して見て下さい。

昼:1.8/1000*12(h)*27.90(円)=0.60264円
夜:3.8/1000*12(h)*27.90(円)=1.27224円

1日(24時間)=昼+夜=1.87488円
1月(30日)=56.2464円 ※x30日で計算
1年:684.3312円     ※x365日で計算

※実際は天候・計測誤差・赤外線使用時間、電力会社による料金等により異なります。

5)撮影テスト

カメラを仮設し、1日稼動させて見ました。
途中何度かカメラ本体を手で触ってみましたが、ほんのり暖かい程度でした。
画像はその際に録画したものを再生し、スクリーンショツトを取得した画像です。
※一部プライバシーに配慮しています。御了承下さい。

日中は、綺麗に取れていると思います。
○ISpyでの日中例


日暮れ前までは中々はっきり車も撮影されていました。
夜間については、遠くの方はやはり赤外線を使用しても暗くなります。
但し、近距離等ははっきり映ります。
○ISpyでの夜間(赤外線)例

※サムネイルですので、クリックすると拡大します。


5.評価



○良い点
・価格が安い
・1080Pで綺麗である
・POE対応である
 別途POE対応ハブは必要になるが、UTP1本で接続可能
・サポートの対応が良い
 何点か質問しましたが、2営業日以内に回答が帰ってきました。

○悪い点
・初期IP(DHCP)とパスワードが製品シールとして本体に貼り付けされている。(画像12)
 もう1台は箱の外側に貼り付けされていますが、出来るなら説明書の裏表紙裏等簡単に見えないところにして欲しいと思います。
・防水系のものがLANの方にしかない
 他の方のレビューでも指摘されていますが、電源系の方の防水対策は自分でする必要があります。
・説明書が簡単すぎる
 もう少し詳細にするかネットで公開しているのであれば、それを全面的に出す(商品ページに記載する等)方が良いと思います。
・Onvif(RTSP)で、1080Pでしか映せない
 高解像度が売りなカメラですが、PC(NVR)のスペックによっては解像度を少し落として負荷を下げたい場合もあるかと思います。
 ※特に複数台接続時の場合、RTSPで切り替え可能な設定(/11と/12等)であれば良いかと思っています。

他の気になる点としては野外設置時での連続稼動ですが、これから夏になるので何かあれば追記します。



6.まとめ



高機能では無いですが1080P・POE対応等、基本を抑えている製品と思います。
購入を検討されている方は、マニュアルがメーカサイト(SV3C)に公開されていますので、色々見てみると良いと思います。
尚、勉強用として購入しましたが中々面白い事が判っています。
※こちらについては後日追記予定です。
→以下が後日記事のリンクで、外部通信やTelnet等について検証しています。

SV3C製1080P POE対応IPカメラ(SV-B01POE-1080P-L)(その2)


最後にIPカメラですので、パスワードの変更(出来ればアカウントの変更も)はしっかりとし、第三者に悪用されないようにするのをお忘れなく。
特にプライバシーに配慮する場所への設置にはネットワークの設計等も考え、物理的に分割したりFireWall等の設定もする事をお勧めします。

※2018/11/24 追記
 2台目のIPカメラを購入しました。
 製品はこちらの別シリーズ(SV3C SV-06POE-1080P-A)と言う製品で、記事も公開しました。
 値段もAシリーズの方が安いのでIPカメラを検討されている方はそちらも参考にして下さい。

 ・SV3C製1080P POE対応IPカメラ(SV-B06POE-1080P-A)

 
以上

○更新履歴
2018/08/15 記事その2とのリンク付加
2018/11/24 2台目のIPカメラ製品とのリンクを追加

 
タグもどき:IPカメラ ISpy ZoneMainder SV-B01POE-1080P-L SV3C
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