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個人の趣味で色々な物を触ったり、検証した内容等纏めたブログです。

SV3C製1080P POE対応IPカメラ(SV-B06POE-1080P-A)

最終更新日:2018/12/05

POE対応のIPカメラの2台目を購入した話です。

1台目(SV3C製 SV-B01POE-1080P-L 以下1080P-L)でZoneminder環境を構築・テスト中に
偶々Amazonを覗いていたら安くて良さそうでしたのでポチってしまいました。

大きな違いはH265に対応したとの事で。それ以外は、1080P-Lとほぼ同等のスペック(1080P/25fps/POE対応)との事。

値段も購入時点で本製品の方が安かったので飛びついてしまいました。

そんな本製品を1080P-Lと比較しながらテストした内容です。



0.目次



1.経緯
2.選定理由
3.製品解説
3ー1)同梱物
4.検証
4-1)Webアクセス(ブラウザによる接続)
4-2)ISpyによる接続
4-3)POE機能の検証
4-4)消費電力の測定
4-5)Zoneminderによる接続
4-6)スマホアプリによる接続
4-7)バックドアについて
4-8)通信トラフィックの計測
4-9)XProtectでの使用
5.評価
6.まとめ


1.経緯


冒頭の通り2台目のPOE-IPカメラとして衝動買いで購入


2.選定理由


選定理由は1台目の時と同様で次の通りです。

1)有線/無線か?
  有線/無線それぞれメリット・デメリットがありますが、以下の理由により有線にしました。
  ・POE(又はスプリッタインジェクタアダプタ)を使用するので、UTPを引く手間もあまり苦にならない
  ・無線の場合、家庭内Wifiの通信速度が遅くなる可能性がある為、原則有線を使用する事とした。
   ※常時カメラからトラフィックが流れる為

2)機能について
  PTZ(パン・チルト・ズーム)
  あると便利だが、今は無しでも良い
  但し、3台目以降はこのあたりも考慮に入れる可能性はある

3)その他
  最高解像度・形状(ドーム形・バレット形)・サポート・評判・価格等から考慮。
  例えば、野外は防犯カメラと判るバレット形を主とし、視覚的防犯効果も兼させる
  室内は設置場所にもよるが判り難い物等も考慮

前回購入製品(SV3C製 SV-B01-POE-1080P-L 以下1080P-L)と同程度の価格で、且つH265対応という事で本製品を選択しました。
※当方購入時点では本製品の方が安値でした。

3.製品解説


製品が届いたので検品も含めて確認しました。

3-1)同梱物

同梱物は次の通りです。

●画像01:同梱物
 

○同梱物
 ①カメラ本体
 ②ACアダプター
 ③説明書(言語は英語と日本語)
 ④UTPx1
 ⑤防水パッキンx(LAN用のみ)1セット
 ⑥固定用ネジ+アンカーx3
 ⑦六角レンチ(L字型)x1
以下、特筆あるもののみ詳細に記載し、一部1080P-Lと比較しています。

①カメラ本体
●画像02:カメラ本体の様子


  型番:SV-B06POE-1080P-A
 レンズサイズは4mmで初期IPDHCP、POEは48V専用です。
 ・サイズ
  最大:縦70*横70*長さ220(mm)(根元を延ばした際)
   最大:縦90*横90*長さ200(mm)(根元を90度折り曲げた際)
  形状は1080P-Lと比べて四角くなっており、重量は約360.3gです。
 ・仕様
  最大解像度は1080Pで最大25fps
  機能はシンプルで、無線LAN・PTZ(パン・チルト・ズーム)・音声通話・本体での(MicroSD等への)保存等、上位機種にある機能は有りませんが、
POE+とH265に対応しています。
  (1080P-LはPOE+でH264まで)
  又、機能としては動体検知・赤外線機能・P2P(有償)・GB28181?・RTMPと言う機能が有りますが、メール送信機能は有りません。
  ※GB28181:中国版ONVIFの規格?キーワードで検索しても中国系の結果ばかりで詳細は不明です。

 初期設定はDHCPでWifiルータ等でDHCPを使用していれば、接続後にすぐに使用可能です。

 ・方向調整機能
  上下角度調整は0-90+α度の10段階(+αは精度の関係?で+1段階の10でした)
  台座固定後の調整(方向・左右傾き)は本体にある六角ネジを緩めて行います。
  ※反時計で緩める/時計回りで締める
  左右の調整は上にあるネジ1つで出来ます。
  (1080-Lの左右調整は2箇所のネジ)
  又、土台とカメラの結合部にはギア上の突起があり、10度単位で固定出来ます。
  逆に言えば10度単位でツメが入るので土台設置後の微調整は出来ません。
  ※調整は10度単位になります。

 ・映像について
  映像は最大1080Pですので綺麗と感じますが、1080P-Lと比べてデフォルトでの色合いは少し薄めに感じます。
  (このあたりは調整可能ですが、あえてデフォルト値で検証します)
  暗所用の赤外線は可視化タイプで、好みもありますこちらも防犯の効果はあると思います。
  尚、1080P-Lと比べ、赤外線LEDの数が変っており本製品:36個/1080-L:6個です。

●画像03:カメラ本体の様子と比較(赤外線)


  赤外線はカメラ部の下にあるセンサーで自動(Web画面設定有り)ON/OFFしますが、切り替わりのタイミングでカチッと動作音がします。

②ACアダプタ
●画像04:ACアダプター


 型番:KA-1201A
 こちらは1080P-Lと同じ製品でコードの長さも同じでした。
 もしPOE給電を使用しない場合は、このACアダプタを使用すればカメラに電源を供給できます。
 その際には「PoE アダプタ インジェクター + スプリッタ」のセット等を一緒に購入すればUTP1本のみで配線可能です。
 尚、次のジャック部サイズに記載していますが、内径2.1mmのものを選択して下さい。
 (内径の2mmクラスは2.1mmと2.5mmがありますので間違えない様に)
 もし不安でしたら、購入前に販売元に確認すると良いでしょう。

 ・ジャック部サイズ
  外形5.5mm/内径2.1mm/長さ10mm※サポートに確認済み
  ピンアサイン:外側マイナス/内側プラス
 
 ・アダプター部サイズ
  縦55mm/横40mm/厚さ2.7mm(最大で端子は含まず)
  入力:100-240V 50/60Hz 0.4A(Max)
  出力:12V 1000mA

 ・コード部サイズ
  長さ:約290cm

③説明書
●画像05:説明書(上部)


 付属の説明書は日本語のみですが、スマホで使う向けの数ページで簡単な使い方のみです。

 詳細はメーカの各種マニュアル等を参照した方が良いと思います。

 詳細は以下のメーカの各種マニュアル等を参照した方が良いと思います。

 ・SV3Cオンラインマニュアル(英語・日本語等)
  ※A seriesが1080P-Aのもので、マニュアル・ソフト等があります。

 ・SV3C公式サイト
  [外部サイト]"http://www.sv3c.com/cd/"

 ・日本語系マニュアル一覧(各シリーズトップ)
  [外部サイト]”http://www.sv3c.com/4155.html

 ・日本語のマニュアル(A series)
  [外部サイト]"http://www.sv3c.com/2MP-4MP-5MP-POE-IP-A-.html"


④UTP
 ツメ折れ防止機能付きのUTPで、CAT5E・長さは100cmです。
 ※1080P-Lに付属の物と同じでした。
 尚、本UTPですが、品質があまり良くない模様です。
 100均の方が良い品質と思いますので、別途準備した方が良さそうです。

⑤防水パッキン
●画像05:左下

 1080P-Lの時と同様にUTPのみ防水パッキンの一式であり、電源側がありません。
 電源部は別途防水処理をする必要があります。
 ※1080P-Lに付属の物と同じでした。

⑥固定用ネジ+アンカー(画像05下)
 長さ2.5mmのネジとプラスチックのアンカーがx3本あります。
 ※1080P-Lに付属の物と同じでした。

⑦六角レンチ
 ネジと同じ袋に六角レンチ(L字型)がx1本同梱されています。
 ※1080P-Lに付属の物と同じでした。

4.検証


実際にIPカメラを設定し、幾つか検証してみました。

○検証環境
 検証項目及び環境は次の通りです。

○検証項目
 1)Webアクセス(ブラウザによる接続)
 2)Ispyによる接続
 3)POE機能の検証
 4)消費電力の測定
 5)撮影テスト
 6)スマホアプリによる接続
 7)通信速度の計測

 ○機器構成
 ①NVRサーバ
  PC:NEC VK-26M/B-F (ノートPC)/CPU ivy i5 3320M/Passmark:4114
  OS:Windows7 Pro(64bit)又はubuntu Server 18.04 LTS
  NVR:(Windows)Ispy 7.1.2又は(ubuntu)Zoneminder 1.32
 
 ②クライアントPC
  PC:Lenovo x200 (ノートPC)
  OS:Windows7 Pro(64bit)
  ブラウザ:Firefox 63.0.3(64ビット)
  ※Zoneminder動作確認用

 ③POE+対応 L2インテリジェントスイッチ
  アライトテレシス GS908M V2-4PS
 
 ④IPカメラ1
  SV3C SV-B01-POE-1080P-L
  スペック概要:H264 1080P
 
 ⑤IPカメラ2(※本製品)
  SV3C SV-B06-POE-1080P-A
  スペック概要:H265+まで対応 1080P
 
 ⑥スマホ
  機種:SHARP SH-07E(Android 4.2)
  メーカ推奨アプリ:Danale 5.9.4
  その他:NoRoot Firewall
  ※スマホアプリ動作確認用
 
 ⑦無線ルータ
  
 ⑧UTP
  Cat5Eの3mx2本(100均で購入でIPカメラ接続用)
  ※接続等は下図を参照願います。
 
 ●画像06:検証環境の構成図
 

4-1)Webアクセス(ブラウザによる接続)

  Firefox63.0.3 (64 ビット)で動作確認を実施
  →結果、問題なく接続・設定でき、カメラの映像も表示されました。(画像07)
 ●画像07:Webコンソール画面


 ●(参考)設定画面(上図左下)の拡大



  ※1080P-LではIEのみでありFirefoxでは動画が表示されなかったが、こちらはFirefoxでも表示。
  但し、1080P-Lとはメニューが違っており、言語選択に日本語はありません。

  特記事項としては、解像度がメインストリームとサブストリームが個別に設定可能で、次の解像度から選択可能です。
  ・選択可能解像度
   メインストリーム(3種類):1080P/720P/D1
   サブストリーム (5種類):720x480/D1/VGA/640x360/CIF 
   ※720x480とD1がありますが、ブラウザの内容のまま(恐らく間違い?)記載しています。

  ○参考(各設定時の解像度)
通称(1080P-Aでの表記) 解像度
1080P 1920x1080
720P 1280x720
D1(720x480?) 720x480
VGA 480x640
640x360 640x360
CIF 352x288

  尚、エンコードモードはH265+,H265,H264から選択可能で、それ以外にはビットフレームレート等も変更可能です。
  但し、各設定の組み合わせによってはNGとなる場合もある模様です。

  その他、メニューを確認して良いと思う点は次の通りです。
  ・OSDが使いやすくなった
   →カメラ名の文字の大きさや設定(解像度・ビットレート等)も表示可能
   但し、残念なのは解像度はエンコード設定(H264)が表示される
   ※1080P-Lは文字の大きさが大でも表示が小さい
  ・画質調整も細かく設定が可能
  ・リブートがスケジュール出来る
   →項目は「Auto Maintain」で、指定スケジュール(曜日か毎日)の時刻に再起動させる事が可能
  逆に残念なのは1080P-Lと比較し、メール送信機能やDDNSの設定等が無くなった事です。

 2)ISpyによる接続

  ISpyへの登録手順はメーカサイトにあるマニュアル(PoeカメラをISpyに追加方法)を参照しONVIFで登録。
  →問題なく登録出来、映像が表示されました。
   下の画像(画像08~09)はテスト中に記録された画像のスクリーンショットです。

●画像08:ISpyでの接続テスト1

   ※一部プライバシーに配慮していますので御了承下さい。
    又、参考として画面左側にレトルトカレーのパッケージを置いています。
   感想としては綺麗に取れていると思います。
   又、日暮れ前までは中々はっきり車も撮影されていました。
   夜間については、設置調整を赤外線まで考慮していなかった為、(画像08左下)の様になりましたが、向きを調整したところ、(画像09)の様になるので、設置後の調整は昼・夜で確認した方が良いと思います。

●画像09:ISpyでの接続テスト2(赤外線の向きを調整した後の状態)



   後は、カメラの出力は1920x1080と640x480ですが、H264での使用となります。
   これはISpy系ではH265に対応しているのは有償のPro版のみで、無料の無印ではH264までにしか対応していません。
   ※2018/11/22現在

 3)POE機能の検証

  POEスイッチ「アライドテレシス CentreCOM GS908M V2-4PS」使用してPOEでの動作確認を実施
  ※POEPortは1~4Portのみ
  →上記POEスイッチを使用し、ACアダプターを使用せずにカメラの動作を確認

●画像10(左上):POE接続テスト結果



  尚、正常確認後のスイッチでのコマンド結果です。
  ※ポート1に本製品(1080P-A),ポート3に1080P-Lを接続しています。

○L2スイッチでのコマンド結果

**************************************************************************************
Manager > show poe

PoE Global Power Status:
--------------------------------------------------
 Power Management Mode ........ Actual
 Power Detect Mode ............ Legacy
 PoE Limit .................... 75 W
 Guard Band ................... 10 W
 PoE No Connect ............... 65 W
 Total Allocated Power ........ 3 W
 Consumed Power ............... 3 W
 Available Power .............. 72 W
 Consumed Power Usage ......... 4 percent
 Consumed Power Threshold ..... 95 percent

PoE All Ports Power Status Summary:

Port  PoE Status  Class  Consumed(mW)  Power State
-------------------------------------------------------------------------------
  1   Enabled       4        1900      ON  - Valid PD detected   ※1080P-A
  2   Enabled       -           0      OFF - Detection in process
  3   Enabled       0        2000      ON  - Valid PD detected           ※1080P-L
  4   Enabled       -           0      OFF - Detection in process
--More--  (<space> = next page, <CR> = one line, C = continuous, Q = quit)
**************************************************************************************

上記のコマンド結果から、本製品(ポート1番)はPOE Class4で認識されています。

4)消費電力の測定

 ワットモニター(サンワ「TAP-TST8N」)を使用し、カメラの消費電力を測定しました。
 条件は次の通りです。

 ○条件
  カメラ同梱のACアダプターを使用
  測定には起動後5分以上置いてから測定
  ※カメラ起動時の負荷によるブレ回避の為

 →結果 
●画像10(下部):ワットモニター計測結果


  明るい時:1.5w(平均)
  暗い時:最大7.2W(安定:4.6W)
  ※赤外線使用時、切り替わりの瞬間で7.2Wに達し、その後は4.6W前後でした。
 

 ○料金計算
  時期(季節)もありますが、1日の半分(12時間)を赤外線使用として計算します。
  尚、単価については当方居住地域(関西電力地域)での検針票上からの計算”27.90円”で計算しています。
  ※自分の地域で計算したい場合は、使用電力会社の単価又は、検針票から計算して見て下さい。

  昼:1.5/1000*12(h)*27.90(円)=0.5022円
  夜:3.8/1000*12(h)*27.90(円)=1.2722円

  1日(24時間)=昼+夜=1.77444円
  1月(30日)=53.2332円 ※x30日で計算
  1年:647.6706円     ※x365日で計算
  ※実際の電気代は、赤外線切り替え時のピーク時の回数・天候・計測誤差・赤外線使用時間、電力会社による料金等により異なります。

5)Zoneminderによる接続

 ONVIFを使用して登録しましたが、Ispy同様、特に問題無く登録・使用出来ました。

●画像11:Zoneminderでの接続



 但し、こちらも対応しているのはH264まででH265は使用出来ませんでした。
 ※Zoneminderの仕様

6)スマホアプリによる接続

メーカー推奨スマホアプリ(Danale)を使用して自宅(自宅LAN)と外部(インターネット経由)で接続してみました。

 ○条件・設定(方法)
  ①IPカメラ側での設定
  Webコンソールの「Network」-「P2P機能」を有効化する必要があります。
  尚、有効化されるとブラウザ上にORコードが表示されますので、
  それを使用すればスマホにIPカメラを簡単に登録出来ます。
  もう1つ検索で検索出来そうなのですが、wikiのキー入力を求められたので当方は前者のQRを使用しました。

  ②スマホアプリ(Danale)について
  スマホアプリ(Danale)を使用するにはアカウント登録が必要で、登録の際にはメールアドレス等の情報が必要です。
  ※フリーのメアドで可
  登録が成功していれば映像は直ぐに表示されます。
  尚、カメラのタイムスタンプを確認では1秒毎に更新されている模様です。
  又、操作で録画等の操作が出来ますが、保存先が有償のクラウドサービスしか選択肢が無いので契約が必要です。

 ○検証内容
  Lan/Wan環境での使用について
  自宅Wifi及び野外公衆スポットサービス(コンビニ等)からアプリを起動

 →結果
 ●画像12:Danaleのスクリーンショット


  自宅:特に問題なし。
  野外:回線の混雑度にもよりますが、問題無く映像が表示されました。
 
  尚、アプリの設定では使用をWifi(公衆含む)のみか回線(3G/4G等)も使用するかが設定出来ます。
  但し、今回は検証していませんが、3G/4G/LTE等のモバイル通信で使用する場合はデータ通信量に注意が必要と思われます。

  ④その他(アプリのアクセスについて)
   アプリを起動していない時でも定期的に外部と通信をしているのが気になりました。
   ※(画像13)はNoRootFireWallで確認したアプリは起動させていない状態での通信状況

 ●画像13:NoRootFirewallでのアクセスログ

※対象IPを確認したところ、両方中国系でした。

 ○参考:IPアドレス情報
  ・47.89.2.238 Alibaba.com LLC
  ・203.107.33.85 ALISOFT descr: Aliyun Computing Co., LTD(中国)

7)バックドアについて

 1080P-Lの時にあった、バックドア(Telnetポート)が無いか、本製品も同様に確認してみました。
 結果、残念ですがTelnetポートは有りませんでした。
●画像14:ポートスキャンの結果


 尚、Webコンソール画面のInfomation情報から、OSはLinuxであるとこは確認出来ています。
  Linux 3.18.30 #20 PREEMPT Thu Jan 11 11:21:55 CST 2018 armv7l

8)通信トラフィックの計測

 本製品を使用時にどの程度通信トラフィックが発生しているのか確認してみました。

 尚、確認方法は次の通りです。

 ○確認方法
  POEスイッチにあるSNMP管理機能(SNMPv2cを使用)で、ポート単位でIN/OUT(ifHCInOctets/ifHCOutOctets)のデータを取得
  取得したデータはISpyサーバに相乗りさせたMRTGを使用しグラフ化
  IPカメラは2台並べて(仮)設置

 ○カメラ設定
  原則、カメラ設定は工場出荷値を使用するが、エンコードモードはH264を使用

 ○設定値(工場出荷値)
  機種  :解像度/フレームレート/ビットレート/フレーム間隔
 ----------------------------------------------------------
  本製品1:1080P/20fps/3200/80
  ※データ収集時の終盤(21時半以降)は次の設定へ変更
  →本製品2 :1080P/25fps/4096/25
  1080P-L:1080P/25fps/4096/25

 ○POEスイッチ接続状況
  Port1:本製品(100M Link POE)
  Port3:1080P-L(100M Link POE)
  Port7:ISpyサーバ(1GB Link)
 上記の接続から、本製品の映像がPOEスイッチのPort1から入り(IN)、Port7のISpyサーバに送信(OUT)されます。
 従って、各値はPort1とPort3の(IPカメラは)INの値が高くなり、Port7(Ispyサーバ側)はOutの値が高くなります。

 ○確認条件
  ・カメラは壁に向けて仮設し、あまり映像の変化がない様に撮影
  ・但し、最後の3時間(19時~22時まで)は、モニターに動画を写し擬似的に動きが多い状態を作って作成

 →結果
  ①本製品(1080P-A)
●画像15-1:Port1(1080-A)のトラフィック量結果

   INが緑色、OUTが青色です。
   ○INの値(IPカメラから出たトラフィック)※緑色
   ・夜間1(22時~08時) :0.7Mbps強程度   ※電気も消えた暗い状態
   ・日中1(08時~16時) :1.5M~2.7Mbp/s程度 ※部屋に入った風や光に反応して変動
   ・日中2(16時~19時) :0.7Mbps程度    ※日が暮れて暗い状態
   ・夜間2(19時~21時半):2.7Mbps前後    ※帰宅後、電気を付け明るくした関係(赤外線がOFFとなりカラー撮影の関係か?)
    ・夜間3(21時半~23時):3.5Mbps程度    ※動画を撮影したので、動きのある分増加

   ○OUTの値(IPカメラに入ったトラフィック)※青色
   ・最大141.0kbs 、平均58.9 kbs程度
    →多少変動していますが少量です。

  ②1080P-L
●画像15-2:Port2(1080-L)のトラフィック量結果


   ○INの値(IPカメラから出たトラフィック)※緑色
   ・夜間1(22時~08時) :5.4Mbps強程度 ※電気も消えた暗い状態
   ・日中1(08時~16時) :5.4Mbps強程度 ※本製品の隣に設置していたが、こちらでは変動記録なし
   ・日中2(16時~19時) :6Mbps弱    ※日が暮れて暗い状態で多少数値は上昇
   ・夜間2(19時~21時半):6Mbps強    ※帰宅後、電気を付け明るくした関係で少し上昇?
    ・夜間3(21時半~23時):6Mbps強    ※動画を撮影したが、変動は少しのみ

   ○OUTの値(IPカメラに入ったトラフィック)※青色
   ・最大166.4kbs 、平均152.4 kbs程度

 ③NVRサーバ(ISpy)
●画像15-3:Port7(NVRサーバ)のトラフィック量結果


   ○INの値(ISpyサーバから出たトラフィック)※緑色
   ・最大19.5Mbs 、平均461.6 kbs程度
   ※5時と19時台に突起しているが、これはリモートデスクトップで接続した為

   ○OUTの値(ISpyサーバに入ったトラフィック)※青色
   ・夜間1(22時~08時) :6Mbps強程度 
   ・日中1(08時~16時) :7M~9Mbps程度
   ・日中2(16時~19時) :6Mbps強程度 
   ・夜間2(19時~21時半):8.5Mbps前後
   ・夜間3(21時半~23時):9.6Mbps前後
   →ほぼ、両カメラの合計値
  
 ○結論
 上記トラフィック計測結果から、本製品は0.7Mbs~3.5Mbs前後(平均1.5Mbs)、1080P-Lは5.4Mbs~6Mbs前後(平均5.5Mbs)で通信(IN側)し、サーバはその合計値である、6.1Mbs~9.6Mbsであった。

 又、 別途、国内メーカ(S社やP社)等で公開している以下のIPカメラ用の帯域/容量計算を使用して、本製品や1080P-Lの設定値を使用して計算したところ、粗近い値となった。
 ※製品の仕様(socや性能の違い)等もあるので一概には言えないが、一般的な範囲と考えられる。

 ○参考
 ・Sony:「ネットワーク帯域/録画容量積算表(Excel)」
 [外部サイト]https://www.sony.jp/snc/support/compatible/sekisan.html

 パナソニック:「録画容量計算ツール(録画プログラム用)」
 [外部サイト]”https://www.psn-web.net/ssbu-t/Japanese/netwkcam/technic/rcrdr_calculator/index.html

9)XProtectでの使用

 フリーNVRであるXProtect Essntial+で使用してみました。
 ※XProtectについては以下の記事を参照願います。
 【NVR】XProtect Essential+ 2018 R3のインストールまとめ

 本製品をONVIFで検出させたところ、H264までしか設定出来ず。
 その後、Univasal Driverを発見したので試したところ、H265での使用(映像が映る)が確認出来ました。
 H265によるトラフィック量等については、現状まだ未測定ですが今後調査の予定です。


5.評価


 ○良い点
 ・価格が安い
 ・1080Pで綺麗である
 ・POE対応である
  別途POE対応ハブは必要になるが、UTP1本で接続可能
 ・H265に対応している
  →但し、H265を使用するにはNVR側も対応している必要がある!
 ・Webコンソールが使いやすくなった(Firefoxでも稼動した)
  →特にカメラのリブートスケジュールが設定出来たり、カメラ名の表示等が大きく見やすくなった

 ○悪い点
 ・Webコンソールで日本語が無く、Webコンソールの操作・設定の説明が無い(公式サイト上にも)
 ・1080P-Lに比べて一部機能が削除された
  →特に、メール送信機能が無くなったのが残念
 ・防水系のものがLANの方にしかない
  →1080P-L製品と同じなのですが、電源ケーブルの使用有無に関わらず防水処理をする必要がある。
 ・カメラ単体での保存が出来ず、NVRを使用しない場合はクラウド(有償)が必項になる
  →NVRを用意(使用)する場合は問題ない
 ・スマホアプリの動作が怪しい
  →起動していない時でも頻繁に通信しているのが気になります・・

 本製品は1080P-Lと違い、有償のクラウドサービスを使用しない場合、NVRの使用が前提の製品となりますが、商品説明にはそのあたりの説明が判りにくいと思います。
 出来れば、有償のクラウドサービスを利用しなくても、googleのストレージや自宅内に設置したNAS(共有フォルダ)等に保存出来れば良いと思いました。
 又、本製品はH265を売りにしているが、現状H265に対応していないIspyやzonemainder等でも使えるとの記述は誤解を招くと思います。
 (現状ではH264での使用になる事を明記して置くべきである。)
 当方の場合、当初からNVRの使用を前提としている為、クラウドストレージの部分は問題はありませんが、後者のH265を使用出来ないのは
 残念でした。
 当方の勉強不足と言われればそれまでですが、やはり誤解しやすい点も含めて評価は☆4としています。
 後は製品の耐久度やカメラの安定性でしょうが、何かあれば追記して行く予定です。


6.まとめ



本製品も1080P・POE対応等、1080P-L同様に基本は抑えています。
Webコンソールも1080P-Lと比べて、Firefoxでも動画が確認出来るなど、細かな部分では使い勝手は良くはなっています。
其の反面、現状H264までしか使えない(これはNVR側の問題)のと、メール送信機能の削除、NVR未使用の場合は有償クラウドサービスが必項なのが残念です。
更にアプリの怪しい挙動等からNVR環境以外での使用は様子を見た方が懸命です。
但し、NVRを使用する場合でFireWallを正しく設定出来れば、外部に怪しい通信も出せないので本製品を候補の1つとして選択するのは有りだと思います。

後は、1080P-Lと1080-Aのどちらかと言えば、性能・価格・将来性(H265対応)の観点から1080P-Aの方でしょう。
現状1080P-Lの方が勝っているのは、単独使用時のアラートメール機能ぐらいですかね。。

最後に、購入を検討されている方はマニュアルがメーカサイト(SV3C)に公開されていますので、色々参考にして見てみると良いと思います。(決して判りやすいとは言えませんが・・・)
後は、フリーのNVRがH265に対応した際にはトラフィック量の比較をしてみたいと思いますが、いつかは未定です・・。


以上

○更新履歴
2018/11/25 誤字脱字の修正
2018/11/26 誤字脱字の修正
2018/12/02 目次の修正
2018/12/05 Xprotectについての情報を追加


 
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