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one's way

個人の趣味で色々な物を触ったり、検証した内容等纏めたブログです。

Raspberry Pi3 B+をセットで購入

最終更新日:2019/05/17

 以前より試してみたいと思っていたワンボードマイコンのRaspberry(以下ラズパイ)。
 もうそろそろラズパイ4も発売との噂が色々あったのですが、2019年内は無い事で今回は勢いあまって購入してしまったお話です。
 むしろ、少し弄っただけで既に嵌り過ぎてしまいそうな感じです。
今回は試しにセット品を購入し、色々検証してみた話の第1弾です。

○画像は組み立て時の様子の物
 



0.目次


1.経緯
2.選定
3.検品
4.検証
4-1)組み立て
4-2)ラズパイの起動
4-3)NOOBSからRaspbianのインストール
4-4)Raspbianインストール後の確認
4-5)同梱MicroSDカードの速度検証
4-6)MicroSDカードへのOS(Raspbian)再インストール
4-7)NOOBS V3.0とV3.0.1の比較
4-8)NBOOSを使用した場合のインストール可能な各OS等について
4-9)UnixBenchによるベンチマーク及び消費電力・CPU温度の計測について
4-10)fioによるMicroSDのベンチマーク
5.評価
6.まとめ

1.経緯



 元々、以前からラズパイに興味があり入手したいと考えていたが、新製品(Raspberry Pi4(以下Pi4))が出るかもと言う噂で我慢。
 Pi3系のスペック的にもUSBが3.0化や有線LANがネイティブギガでは無い(元がUSB2.0系なので)等で様子見としていた。
 しかしながら、2019年02月頃と噂されていたPi4が2019年内に発売が無いとの情報から我慢しきれずに購入する事にしました。

 尚、入手後の最終用途としてはまだ未定(スペック的にどこまで使えるかが不明)であるが、次の用途で想定

○想定用途
 ・NASやメディアサーバ
 ・監視サーバ(ZabbixやMRTG等の監視系)
 ・その他(無線AP親機等や実験環境)


2.選定



 個別に必要な物を準備しても良かったがある程度セットの方が楽な為、セットで選定。
 (セットと言っても組み合わせが次第で値段は変わってきますが・・))
 セットで幾つかの商品を値段・スペック・ケースの好みや保証等から比較し選定。
 
○選択のポイント
 ・値段:クーポンがあり、クーポン使用で同様製品より安かった
 ・スペック:MicroSDの容量が32GBであったのと、Wifi技適認定済みであった
       →Wifi技適認定は商品説明には無かったがサポートに問い合わせたところ、認証済みとの回答及びそのpdfを添付され確認
       ACアダプターが対策された物で5V3Aであるとの回答
       →旧系のACアダプター(5V2A)で電力不足になると言うレビューが幾つかあったので対策(5V3A)された物である
 
 上記の結果、値段・スペック的に良さそうなこちらの製品を選択しました。

○製品名
LEMORE Raspberry Pi 3 Model B+スターターキット Raspberry Pi 3B+マザーボード付き 32GBメモリーカード NOOBSソフトウェアプリインストール 5V 3Aスイッチ付き電源アダプタ付き ホワイトシェル HDMIケーブル 純銅ヒートシンク カードリーダー 日本語マニュアル

相変わらず製品名が長いですよね・・・

尚、セットと言っても、モニター・キーボード・マウス等は別途準備する必要があります。

3.検品



 商品が到着したので、検品の結果です。
 尚、セットの為、同梱品も色々あるので、特記事項のみ記載します。

○(画像01:パッケージ開封時の様子)
 

①ラズパイ本体(画像02~03)
 まず本体ですが、ラズパイ公式の物ですのでRaspberry Pi3 Model B+(以下Pi3B+)です。
 基板を確認したところUK製でした。
 技適は認証されており、ラズパイの本体が入っていた箱に認証番号(007-AG0046)が記載されています。
 →総務省の電波利用ホームページ内にある「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」で検索の結果は認証登録済

 これ以降がセット内容になるので、他の製品等と異なる場合があると思います。

 ○(画像02:ラズパイの箱両面)   ○(画像03:ラズパイ基板)
    
  ※全画像はクリックで拡大可能です。

②ケース(画像04~05)
 3分割に分かれる形で上面・中間・底面とあります。
 底面にはモニターや壁等に取り付け用と思われるネジ穴らしき物が2箇所ありますが、使用方法等は不明です。(2点の穴間の距離は55mmでした)
  中間と底面は爪で固定されますが、上面と中間はミゾに合わせてはめる感じですので、頻繁に基板を見たりする人の場合は少し面倒かも知れません。

 ○(画像04:ケース組み立て前)
  


 当たり外れもあるでしょうが、一部バリ等が残っていましたので、干渉したり気になる人は先にヤスリで削った方が良さそうです。
 (外す際に壊さない程度にヒートシンク部分等を押して中間と底面を開く必要がある)
 底面にはゴム足も4個ついていますが、設置場所によっては少し足が短い気もします。
 (底面からの空気の吸気を考慮すればもう少し足が高い方が良い?)

 ○(画像05:ケ組み立て後とバリの様子)
  

③ACアダプター
 商品説明通りであれば、5V/3Aに改良された製品です。
 特徴としては、プッシュスイッチが付いている事でしょう。

 ○(画像06:ACアダプターとケーブル)
  

 ○本体
  型番:XS-0503000SJPU
  出力:5V/3000mA
  備考:USB-TypeA端子を使用し電源を出力

 ○スイッチ付きケーブル
  長さ:約150cm
  端子:USB-TypeA(AC側)<->Micro B(ラズパイ側)
  備考:プッシュスイッチはAC側から約130cm(ラズバイ側から約20cm)の部分にあり

次は大きさの関係で同梱品の画像は纏めています。
ヒートシンク/MicroSD/カードリーダ/HDMIケーブルです。

 ○(画像07:その他同梱品)
  

④ヒートシンク(画像07上)
 3種類(各1個ずつ)有り、底面にある両面テーブでチップに貼り付けします。
 尚、どこにどれを使用するかの説明は現在のところ、Amazonの商品説明ページ(画像7枚目)にしかありません。(後から発見)
 その内容を纏めた物です。

○ヒートシンク使用場所
対象 チップ名称
金色山形 CPU用
青色山形 有線LAN用
金色薄平 裏面のメモリ用
※無線LAN用のヒートシンクは本セットには無いので、付けたい人は別途用意が必要です。

⑤MicroSD(画像07上)
 商品説明通り、"SAMSUNG EVO 32GB Class10 UHS-I"でした。

⑥MicroUSBリーダ(画像07上)
 ノーブランドの様で、端子の形状からUSB2.0規格の物です

⑦HDMIケーブル(画像07下)
 長さ:約140cm
 端子:HDMI<->HDMI
 備考:両端に近いところにフェライトコア付きです。

⑧説明書・保証
 ラズパイの箱内に保証(英語)と、製品の箱内に説明書があります。
 説明書は日本語で作成されていますが、ラズパイ基板の説明とNOOBSに関する部分の簡単な物です。

 ○(画像08:)説明書と保証書
 




4.検証



 動作確認を含めて実際に組み立て及びOSをインストールしてみた内容です。

4-1)組み立て

 組み立て手順が無いので少し戸惑いました。(画像09)
 ケースの組み立ては形状から判りますが、その他戸惑った点も含めて以下の通りです。
 
 ○(画像09:組み立て中の様子)
  


 ○少し戸惑った点
  ・先に上げましたが、ヒートシンクが3種類あるがどこにどれを貼るのかが判り難い
   →Amazonの商品ページの画像(7枚目)にあった
   ○(画像10:組み立て時の様子)
    

  ・有線LANのヒートシングの貼り付け位置によってケースの中間と干渉し、貼り直した
   (先に3種類のヒートシンクを貼り付けしてからケースに入れたが、有線Lanのヒートシングが干渉)
   →ケースの中間の穴の位置がギリギリだったので、このヒートシンクだけケースに付けた後に貼った方が良いです。(画像11上)

   ○(画像11:ヒートシンクの干渉とMicroSDの装着方法)
    

  ・MicroSD挿入向きの説明が無く判り難い
   →MicroSDの表面は底面を向ける(端子部が上を向く方向)(画像11下)

  このあたりは紙ペラ1枚でも良いので、捕捉説明があればと思います。
  その点がクリア出来れば難しくはありませんでした。

 ○組み立て後のサイズ ※本体のみでケーブル等は除きます
  ・縦:63mm
  ・横:93mm
  ・高さ:32mm ※ゴム足を含む

4-2)ラズパイの起動

 別途用意したモニター(TV)、USBキーボード、USBマウスを接続
 同梱されていたHDMIケーブルや電源を接続し起動させたところ、画面に横線が多数入る事象が発生
 
 ○(画像12:HDMIケーブル接続時の不具合)
  

 原因切り分けの為、別途用意したモニター(TV)やHDMIケーブル等を使用して切り分けを実施

○切り分け内容
 ①同梱HDMIケーブルで接続
  →画面に横線
 ②別途用意したHDMIケーブルで接続
  →正常表示
 ③別のHDMIポートに同梱ケーブルを接続
  →画面に横線
 ④別のHDMIポートに別途用意したHDMIケーブルで接続
  →正常表示

 上記結果合わせてサポートに問い合わせ、結果HDMIケーブルの不良であるとの回答を得る。
 その対応としては、HDMIケーブル分相当の価格を返金するとの事で了承し、検証を継続する事とした。
 

4-3)NOOBSからRaspbianのインストール

 同梱のMicroSDに入っていたNOOBSのバージョンや条件は以下の通りです。

 ○MicroSDのバージョン
  ・NOOBSバージョン:NOOBS V3.0 nov13 2018 
   ※NOOBSはOSインストーラ

 尚、ラズパイ公式のサイト(説明書に記載)を確認すると、最新版(マイナー更新?)がありました。

 ○[外部サイト]:ラズパイ公式NOOBSダウンロードサイト
 
 ○ラズパイ公式のバージョンとの比較
  ・NOOBS   :Ver 3.0.1(2019/04/08) 約1.7GB
    ・NOOBS Lite  :Ver 3.0(2018/11/16)  約33.3MB
  ※ファイルサイズはZIP圧縮時
 
  ※同梱されているNOOBS(Full)のバージョンは少し古い可能性があるが、動作検証の目的なのでこのままインストールを続行
  ※FULL版とLite版の違いは、各OSのインストールイメージの有無で詳細は後述で説明

 ○条件
  ・インストール前に無線接続を行いRaspbianを選択
  ・言語は日本語を選択

 ○結果
  インストールには時間がかかった(約2時間近く)が、インストールに問題は無かった
  →※後述" 4-4)⑥MicroSDカードへのOS(Raspbian)再インストール"に更新版との比較結果を記載
  又、インストール完了前(約95%)に本体の熱さを確認したこころ、次の通りであった。

 ○(参考)インストール時の熱さ
  ※条件:室温約24度の状態で、インストール終了前(約95%)の時点でケースを触った感想
  ・上面:ほんの少しだけ暖かく感じる
      但し、ケースを開けて中のCPUヒートシンクを直に触ると熱っとなるレベル。
  ・底面:暖かいと感じる

 但し、あくまでインストール時点での確認の為、これから迎える夏場等を考慮して継続的に確認していきたい。 (OS自体も何を使うか未定の為)

4-4)Raspbianインストール後の確認

①初回起動時
 パスワードの変更等が入り、オンラインの場合更にアップデートが行われる。
 尚、アップデートにはすこし時間がかかるが終了後は特に問題は無かった。
 
 ○(画像13:Raspbianインストール完了後の様子)
  


 ②CUI(Teraterm)でのリモート接続
  ○条件
   Teraterm(Ver 4.82)はネットワーク上にあるPC(Windows7)から接続
   "sudo apt-get update"及び"sudo apt-get upgrade"で最新状態

  ○手順
   デフォルトではSSHは無効にされている為、以下の操作を実施
   ・GUI画面の左上「メニュー」から、「設定」-「Raspberry Piの設定」-「インターフェース」でSSHを有効

  ○結果
   特に問題なく接続出来た  

  ○(画像14:TeratermによるSSH接続の様子)
   

   尚、リモート接続時のアカウントはデフォルトでは次の通り

   ・デフォルトユーザIDとパスワード
    ユーザ名 :pi
    パスワード:インストール時に設定したパスワード

 ③GUI(リモートデスクトップ)でのリモート接続
  ○条件
   Windows7(Pro)にあるリモートデスクトップを使用し、ネットワーク上にあるPCから接続
 
  ○手順
   デフォルトではVNCは無効にされている為、以下の操作を実施
   ・GUI画面の左上「メニュー」から、「設定」-「Raspberry Piの設定」-「インターフェース」でVNCを有効
   又、xrdpを追加する為に以下のコマンドを実施
   ・"sudo apt-get install xrdp"
   ・"sudo service xrdp restart"
    ※restartの方はおまじないの意味を含めて実行

  ○結果
   特に問題なく接続出来た(画像15)
   尚、リモート接続時のアカウントは上記②のSSHの時と同様

  ○(画像15:xrpdとWindowsリモートデスクトップによる接続)
   

 ④コマンドによるCPU温度確認
  上記②・③等を実施中にCPU温度を確認

  ○条件
   室温:約24度
   使用コマンド:"vcgencmd measure_temp"を何回かコマンド投入し確認

  ○結果(例)
   約55度前後であった。
   但し、動作検証の為の確認の為、今回はここまでとした。
   ※本格使用の場合は自動化し、その結果を別途追記したいと考える

4-5)同梱MicroSDカードの速度検証

本セットに同梱されていた"SAMSUNG EVO 32GB Class10 UHS-I"について、ベンチマークの情報が少ない為テストを実施(EVO+やEVO Plus等は出てくる)

 ○条件
  ・ベンチマークはMicroSD単体での性能を確認する為、ラズパイ上で行わずWindowsからh2testw Ver1.4を使用
  ・ベンチマーク前にMicroSDの全パーティションを削除し、"SD Card Formatter Ver5.0.1"でフォーマットを実施
  ・ベンチマークは次の環境で実施

 ○環境
  PC:NEC VK26M/B-F(ノートPC)
  OS:Windows10 Pro64 Bit
  備考:MicroSDへのアクセスには、PC内蔵SDスロットを変換して挿入
     ※内蔵SDスロットUHS-I対応で最大104MB/sまで計測可能
 
 ○結果
  次の通りであった。
  ・Read  65.8MB/s
  ・Write 26.2MB/s

 ○(画像16:H2testw結果)
  

 Readは60MB/sを超えているが、実際にラズパイで使用する際にはUSB2.0の制限を受けるため、理論上は60MB/s以下(ラズパイ上だとかなりそれ以下)となる可能性が高い。

 尚、このあたり(特にラズパイでは)MicroSDのメーカを問わず、用途によって(24時間稼動のサーバ等では)1年程度しか持たないとの情報も多々ある模様。
 それまで使用し、調子が悪いとおもったら早めにバックアップを取得し、新しく交換する方が良いと思う。
 ※「ラズパイ SDカード 寿命 期間」等の検索結果で寿命を伸ばす方法等も有りますので検索してみて下さい。
     

4-6)MicroSDカードへのOS(Raspbian)再インストール

 先の⑤で完全フォーマットした為、再度Raspbianをインストール
 その際、ラズパイ公式の"NOOBS(Full):Ver 3.0.1(2019/04/08)"を使用してみた

○条件
 ・MicroSDカードがフォーマットされている事
  ※上記⑤で使用した"SD Card Formatter Ver5.0.1"で再度フォーマット

○手順
 (1)ダウンロードした"NOOBS_v3_0_1.zip"を展開し、中のファイルを全てMicroSDにコピー
 (2)ファイルをコピーしたMicroSDをラズパイに入れて起動
  →特に問題なくインストール、起動出来た
  尚、起動時に表示されたNOOBSのバージョンはv3.0のままであったが、最初のインストールは元の"NOOBS V3.0 nov13 2018"と比べて早かった。
  其の為、追加でV3.0とV3.0.1の比較を実施

4-7)NOOBS V3.0とV3.0.1の比較

MicroSDに各バージョンの状態にしてRaspbianのインストールを実施

○条件
 ・V3.0 :"True Image"のバックアップから、初期状態にリストア
 ・V3.0.1:公式からダウンロードし、手順に従い配置
 ・インストール対象は"Raspbian Full(RECOMMENDED)"でインストール完了までの時間を計測
 ・ネットワークは無線を使用

○結果
 V3.0を使用の場合、ネットワークを使用可能(オンライン)にするとインストール参照先が(ローカルでは無く)ネットワークになる事を確認
 ※対象行の右側にあるアイコンはHDDからネットワークに変更されるので判断出来るが、オフライン状態では当然ローカル(HDD)のまま
 一方、V3.0.1では、ネットワークに接続してもローカルのイメージを参照するままであった。

○(画像17:NOOBSインストール使用時の注意点)
 
 ※NOOBSV3.0でネットワークに接続しているとローカルにイメージがあるのにネットワークインストールをしてしまっている
  V3.0.1はそれが解消されてローカルをからインストールする

○参考(NOOBS V3.0とV3.0.1でのインストール時間の計測結果) 
NOOBS V3.0(オンライン時) 約2時間
NOOBS V3.0(オフライン時) 約12分
NOOBS V3.0.1(オンライン時) 約13分
NOOBS V3.0.1(オフライン時) 約12分

○結論
 公式でバージョン更新情報が見つからなかったので確実では無いが、マイナーバージョンアップの1つには、この修正(参照先の変更)が含まれていると思われる。
 其の為、インストール時間に差がでていたと思われる。

4-8)NBOOSを使用した場合に表示される各OS等について

 先のテスト時等に表示されたインストール可能なOS等の一覧を纏めました。
 又、ラズパイ公式にある無印とLiteについても合わせて纏めています。
 ※NBOOSのバージョンはV3.0及びV3.0.1ので確認

(A)NOOBSとNOOBS Liteの違い
OS名       備考
NOOBS aspbian Full(RECOMMENDED) とLibreELECのイメージ入り
NOOBS Lite インストールイメージは無く、ネットワークから各OSのイメージを
ダウンロードする

(B)NOOBSからインストール可能なOS等の一覧
 ○オフラインでのインストールが可能
OS名 備考                              
Raspbian Full
(RECOMMENDED)
GUIと公式お勧めアプリケーション(が多数)入った物
LibreELEC メディアサーバーに特化したOS

 ○オンラインの必要がある
OS名 備考
Raspbian Lite Rpi2 コマンド(CUI)のみ
Lakka Rpi2 ゲーム等に特化したOS
Raspbian GUIと最低限のアプリケーションのみ
Data Partition 説明には512MBのext4パーティションを追加する模様であるが、
詳細は不明
OSMC Pi2 メディアサーバーに特化したOS
Screenly OSE デジタルサイネージ(駅等にある液晶の看板(広告等))に
特化したOS?
RISC OS ※詳細未確認
Windows10 IOT Core ※詳細未確認
TLXOS ThinLinX社の開発したシンクライアント? 
※30日トライアル

 ※ここで、先の検証⑦の結果に戻るが、V3.0ではネットワーク経由のインストールを行っていた為に時間が掛かっていたと考えられる。 (v3.0.1で修正)

4-9)UnixBenchを使用したベンチマーク及び消費電力・CPU温度の計測について

 CPU高負荷時の消費電力やCPU温度等を纏めて計測する為、UnixBenchを実行させてみました。
 条件は次の通りです。

○参考(ラズパイ3B+の警告等)
 ・温度異常:85度以上になると、ターボ機能が停止[赤色] 
 ・電圧低下:電圧が4.65V以下で発生し、本体赤色LEDが消灯[虹色]
  ※上記[]は、その状態の場合に画面右上に表示される模様

○条件
 ・室温24度
 ・消費電力はサンワサプライのワットモニター(TAP-TST8N)を使用し確認
 ・ラズパイ本体にモニター・キーボード・マウスは接続するが、作業はSSHで接続
 ・SSH接続は3つ行い、それぞれ、UnixBenchの実行・htop(CPUの監視)・温度確認コマンド"vcgencmd measure_temp"を実行させる
 ・OSはNOOBS V3.0.1からRaspbian Full(RECOMMENDED) をインストールしたものを使用

○結果
A)消費電力(平均)

○(画像18:ワットモニターによる計測)
 

○計測結果まとめ
状態 消費電力(W)
起動時 3.5
アイドル状態(無線) 2.8
アイドル状態(有線) 2.7
アイドル状態(N/W無し) 2.6
ベンチ中(無線) 3.2W(2.7~3.7W)
※最大5.3W
※ベンチ中は各処理の間で頻繁に推移()内がその値
※画像はベンチ中は変動が激しかった為、未撮影

B)電気料金
 上記消費電力から電気代を算出。
 尚、条件は次の通り。

○条件
・電力料金単価(27.90)は当方の居住地域(関西)を使用
・計算はアイドル状態(無線)とベンチ中(無線)(最大値)を使用
・小数点第3位を四捨五入

○結果
(1)アイドル状態(無線)
  ・計算式:2.8/1000*24(h)*27.90(円)=1.87円

○計算結果
期間 料金
1日 1.87円
30日 56.1円
1年 682.55円

(2)ベンチ中(無線)(最大値)
 ・計算式:5.3/1000*24(h)*27.90(円)=3.55円

計算結果
期間 料金
1日 3.55円
30日 106.5円
1年 1295.75円

(3)上記まとめ
○まとめ
期間 料金
1日 1.87~3.55円
30日 56.1~106.5円
1年 682.55~1,295.75円
※上記はあくまで計算上の物で、実際の構成・環境等により結果は異なります。

C)ベンチ中のCPU温度及び警告について
 ベンチ中のテスト項目時"4 x Shell Scripts (8 concurrent) "中にtemp=80.1'Cを記録
 尚、電力低下や温度警告のしきい値に到達せず、警告は確認出来なかった。
 但し、時期(5月で室温24度)もあるので、高負荷をかける際は注意が必要である。

4-10)fioによるMicroSDのベンチマーク

 fio-3.13を使用し、ラズパイ上でMicroSDのベンチマークを取得
 ※但し、この方法が良いか等もあるので、参考程度にして下さい。
 (ベンチマークは他のアクセスが無い状態で行う方が望ましいと思っており、システム領域等の入ったMicroSDをベンチした場合、結果が悪くなる可能性がある)

○条件
 以下のコマンドを実行し、Seq_Read/Write及びRandom_Read/Writeを計測
 ※ファイルサイズは30MBの4kクラスタ

 ○コマンド
  (1)Seq_Read
   ・fio --size=30m --numjobs=4 --iodepth=8 --time_based --runtime=60 --overwrite=1 --ioengine=libaio --bs=4k --group_reporting --direct=1 --name=test --rw=read

  (2)Seq_Write
   ・fio --size=30m --numjobs=4 --iodepth=8 --time_based --runtime=60 --overwrite=1 --ioengine=libaio --bs=4k --group_reporting --direct=1 --name=test --rw=write

  (3)Random_Read
   ・fio --size=30m --numjobs=4 --iodepth=8 --time_based --runtime=60 --overwrite=1 --ioengine=libaio --bs=4k --group_reporting --direct=1 --name=test --rw=randread

  (4)Random_Write
   ・fio --size=30m --numjobs=4 --iodepth=8 --time_based --runtime=60 --overwrite=1 --ioengine=libaio --bs=4k --group_reporting --direct=1 --name=test --rw=randwrite

○結果
 次の通りであった。

項目 スループット(MB/s) スループット(KB/s)
Seq_Read 19.4 19400
Seq_Write 5.2 5235
Random_read 9.4 9419
Random_write 0.8 826
  
○感想
 先の"⑤同梱MicroSDカードの速度検証"の結果と比較し、大幅に低下した結果となった。
 ※先の結果(Read  65.8MB/s  Write 26.2MB/s)
 但し、このあたりについては同一条件によるデータが少ないので一概には言えないが、ネット上にある他の方の結果と比較しても
 ラズパイ3B+上ではこのあたりと思われる。


5.評価



○良い点
 ・(基本)セットなので一々必要そうな物を選ぶ必要が無い
  →不具合が有った場合に窓口が1本化されるので対応が楽になる。
   良くある相性問題の際にも時間が掛かり難い
 ・セットでお得だった
  →クーポンも使用し、旧製品と同様の価格で購入出来た
 ・ネジレスで食玩のプラモデルみたいに組み立てられる
 ・技適認証済みである(但し、製品本体の箱では無くRaspai基板の箱に記載)
 ・ACアダプターが改良されている
  →但し、耐久度や電圧低下についての部分評価は保留し、今後継続して様子を見る
 ・ACアダプターに(プッシュ)スイッチがある
  →贅沢をいえばケーブルにも通電ランプがあればもっと良かったと思う
 ・サポートの対応が良い
  →購入前後に質問や不具合の確認をしたが対応が良かった
 
○悪い点
 ・2019年度版なのに、外箱には2018NEW VERSIONとある
  →せめてシールで良いので2019年版にした方が良いと思う
 ・組み立て時に少し戸惑う(検証4-1)組み立てでとまどった点)
  →紙ペラ1枚でも良いので、捕捉説明があればと思う
 ・ケース(真ん中部)と有線LANのヒートシンクが干渉しやすい
  →先にヒートシンクを付けるとケースと干渉して嵌らないらないので、もう少し位置に余裕が欲しい。(出来ればPOE用のピン部分も同様に余裕が欲しい)
 ・底面のゴム足の熱さがもう少し欲しい
  →底面の方が熱かった(メモリの発熱が高かった)が、ゴム足で出来る隙間が少ない 
  このあたりは、別途高さを調整(追加等)してたり、空間を作る方が放熱的には良さそうである。
 ・本体のランプ(電源:赤/ACT:緑)用の穴が無いので、外から確認し難い
  →赤は暗ければ見えるが、緑は間欠なので判り難い
   尚、上蓋を開ければ小さな穴から見れるがこちらも見え難い
 ・ケースのバリ取りが甘い場合がある(当たり外れ?)

○評価保留
 ・改良型のACアダプターの部分評価について
  →耐久度や電圧低下についての部分評価は、本格的な使用での稼動確認が必要なので保留中

  又、公開されたのが最近なので評価外としていますが、今後の購入検討者の為に、販売元にはNOOBSのバージョンを3.0.1にする事を要望しようと思いました。

 と、上記で色々あげましたが、個人的には満足です。

 総評価としては、サポートの対応も良く満点にしたいところですが、やはりケーブルの初期不良とヒートシンクの件(説明が無いのと有線LAN用とケースの干渉)及び動作ランプが見えない点は少し問題でしたね。

 後は耐久度(特に改良されたACアダプターの部分)や発熱の状態等ですが何かあれば追記予定です。

6.まとめ



 冒頭でも述べましたが、以前より興味があったラズパイをセットで購入して良かったです。
一部初期不良等もありましたが、販売店のサポート(対応)も良くもっと早くに見つけておけばと後悔した次第です。(この辺りはPi4が出るとかの噂も関係もありますが・・) 

 正直、このレビューも検証中にまとめていたのですが、次々に項目を色々思いつきどんどん増えていった次第です・・・。
 (明らかにセットの範疇を超えそうな勢いなので一部自粛しましたが、これだけでも既にはまっているのが判ります。)

 更にGPIOも使いこなせればと夢が広がりますし、これが自分の子供の頃にあれば・・・と思います。

 その手始めとしてセットで価格も安いのでお勧めですし、自分で使用するだけで無く子供へのプレゼントにも良いかも知れません。

 最後に繰り返しとなりますが、ポイントとして上げておきます。
 
○ポイント
 ・簡単な組み立て方法
  ①CPU(金色山形)とメモリ(金色薄平)のヒートシンクを付ける
  ②ラズパイ基板をケース下部にはめる
  ③ケース中間とケース下部を合わせる
  ④有線LAN用ヒートシンク(青色山形)を取り付ける
   ※ここで調整しておかずにギリギリにすると再度ケースを開ける場合に支障が出る可能性があります
  ⑤ケース上部を被せて完成

 ・NOOBSを使用して"Raspbian Full(RECOMMENDED)"インストールする場合、MicroSDに入っているNOOBS(V3.0 nov13 2018)では無く、
  オフラインでインストールするか、NOOBSの"2019/04/08版(V3.0.1)"を公式からダウンロードして使用する方が良い

 ・シャットダウンをしても物理的には電源は切れない。
  ※シャットダウンしても電源ランプは点いたままですので、スイッチ等でOFFにするのを忘れない

 ・OSを入れ直す(入れ替える)際には、必ずMicroSDのパーティションも削除(こちらはWindows上で可能)とSD Formatterでフォーマットし直す。
  ※特にWindows標準のフォーマットではフォーマットしない




○更新履歴
2019/05/17 初版作成


以上


タグもどき:unix ラズパイ Bench Mark
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